数理アルゴリズムとは
数式で表現されたモデル(数理モデル)に対し、しばしば計算機を用いて所定の手続き(アルゴリズム)で計算処理を行うことで、最適な解を導出する手法です。複雑な構造をしていて解決困難に見える社会課題も、数理モデルとして構造化することでアルゴリズムを適用できるようになり、解決策に繋がる有用な帰結を得ることが可能となります。全ての問題を解決できるアルゴリズムが存在するわけではなく、対象とする課題に応じて適した問題設定を行った上で、様々なアルゴリズムの中から適したものがどれであるかを検討することが肝心となります。
代表的なアルゴリズム
ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークとは、脳の神経細胞をモデルとしたノードが相互に接続されて構成される計算モデルです。与えられたデータに対し、パターンの認識、クラスター化、分類等を行うことができます。また、継続的に各ノードの入力の重みの調整を重ね(学習プロセス)、処理精度を改善していくことができます。特に、多層の人工ニューラルネットワークを用いる機械学習手法をディープラーニング(深層学習)と呼び、アカデミア、ビジネス問わず昨今注目を集めています。
ビジネスでの実用例
- 証券会社におけるアルゴリズム取引
- 不動産取引における価格決定
- ロボットの感情表現
- 製造業での品質分析
- 画像認識による様々なサービス
遺伝的アルゴリズム
遺伝的アルゴリズムとは、生物学上の進化を模倣したアルゴリズムです。大量に用意した組み合わせパターンを「選別」したり「掛け合わせ」たりすることで、比較的短時間で高精度に適切な組み合わせパターンを導くことができます。
ビジネスでの実用例
- 製造現場におけるデータ分析や生産管理の最適化
- 為替取引手法の最適化
決定木モデル
決定木とは、ある特徴が比較的よく現れているデータのかたまりを見つけ、それに基づいて分類ルールを生成する機械学習の手法です。より具体的には、目的変数と複数の説明変数を設定し、説明変数らを用いて境目となる条件を指定しながら木構造を作っていきます。そうして得られた説明変数の条件で構成されるデータの分岐ルールが決定木モデルです。
ビジネスでの実用例
- プロダクトやサービスに対する興味関心が高い集団の特定
- 最適なサイト導線の特定
ベイズ最適化
ベイズ最適化は、愚直な最適化手法では計算コストが高くなってしまう関数(ブラックボックス関数)を効率的に最適化できる手法です。最近では専ら機械学習のハイパーパラメータ探索に利用されています。
ビジネスでの実用例
- 工業生産の最適化、品質の安定、省力化
- ロボットのパラメータ制御
ポアソン回帰
ポアソン回帰とは、一般化線形モデルのひとつで、被説明(目的)変数がポアソン分布すると仮定される場合に用いられる回帰モデルです。例えばカウントデータやイベントの発生率をモデル化する際に頻繁に用いられます。
ビジネスでの実用例
- 1日あたりの訪問者数に占めるCVユーザー数
- 1日あたりの来店者数
- 1日あたりの企業への問い合わせ件数
K-平均法(K-means法)
K-平均法は代表的な非階層的クラスタリングのアルゴリズムです。用意したデータたちを指定されたクラスタ数(k個)に分類します。アルゴリズムの簡単な流れは以下の通りです。
- クラスタの中心点を対象データからランダムにk個決める
- 各データを最も近くにある中心点のクラスタに割り当てる
- クラスタ内のデータの平均値を新たなクラスタの中心点とする
- ②に戻る
- 中心点が変化しなくなったら終了
ビジネスでの実用例
- 顧客のセグメント分け
- 店舗クラスタリング分析
- 人事業務における合理的意思決定の支援
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